ISON 井上敦史

テンセグリティ構造を活用したアームチェア


少数部材による最軽量の構造システム
バックミンスター・フラーによって提唱されたテンセグリティ構造。不連続な圧縮材と連続的な引張材による構造体であり、強度・軽量性の面において優れているという特徴がある。そのため現在ではジオデジック・ドームなどの建築物に多く活用されているが、身の回りのプロダクトにはほとんど見られないというのが現状である。そこで、新たなテンセグリティ構造の活用方法として家具を提案することでその可能性を広げる。


アームチェアによる新たなテンセグリティ
テンセグリティの強度・軽量性を活かしたアームチェアの制作を行った。まず、軽量なアームチェアの先例調査としてマルセル・ブロイヤーの名作「ワシリーチェア」の構造・寸法の研究を行い、快適なアームチェアを構成する要件の抽出を行った。その後テンセグリティ構造を用いてアームチェアを必要最少の要素で構成し、かつ椅子としての快適性をもった形状を追求した。圧縮材と引張材が互いに依存することで自立する形状により、快適性を生み出すことに成功している。


size:H721×W1223×D831 mm
material:ステンレスパイプ,ステンレスワイヤー,ターンバックル  他