am 平岡美樹

片麻痺患者が片手で使用可能な編み器


片麻痺を患った高齢者の生きがい創出
「自分は世の中から必要とされていない。」と高齢者が感じるのは悲しい事だ。私には片麻痺を患う祖母がおり、そんな祖母に生きがいを感じて欲しいという思いからこの研究が始まった。片麻痺患者は全国27万人に登り、同じ悩みを抱える高齢者は少なくない。体を大きく動かす必要のない編み物であれば趣味として取り入れ易いと考え、片手で使用可能な編み器の開発に焦点を当てた。さらに、制作物を譲渡する事でコミュニティーや雇用の創出に繋がる事も期待する。


片手使用可能かつ汎用性の高い編み器の開発
従来の編み道具が長い棒状であるのに対し、新たに制作する編み器ではリリアンを参考に複数本の歯を垂直に並べ、机に固定する事で片手での使用を可能にした。また従来の編み道具のように、様々な編み方を可能とし表現の幅を広げることで、創造力を刺激し長く使用してもらえる編み器を目指した。この機能を実現するためバインダーの機構を参考に制作を行った。編み途中に歯を閉じ表と裏を切り替える事で複数の模様や様々な編み方を実現する事が可能となった。


size:H28×W285×D32 mm
material:真鍮,エゾマツ,帆布,シリコンゴム