Psyche 牛田凌
心臓を媒介としたコミュニケーション
心臓の鼓動は人間の様々な要素と関わりを持ち、感情とも関わりを持っている。しかし現状では1分間あたりの「心拍数」という機械的な数値で利用されることが多い。実際には心拍は揺らぎを持ち、瞬間的に変化することも多く、心拍数では刻一刻と変化していく感情を表現するには不十分であると考える。本研究では心拍を計測・反映して「生の感情」を表現するツールを制作し、心臓を媒介とした新たなコミュニケーションや自己表現の可能性を提案する。
心拍の可能性を示すアクセサリー
胸元の蝶が心拍の周期と連動して羽ばたく胸元用アクセサリー。羽ばたく速度の変化だけでなく、心拍が遅い時は小さく、速い時は大きく羽ばたき、心拍の変化を周囲に伝える。心拍により「生の感情」を表に出す本装置は新たな感情の表現や感情を偽らない生き方の可能性を示し、一方で心拍という情報の重要性やプライバシーを脅かす危険性をも示唆したと考える。本研究が新たな心拍の利用方法の誕生や心拍に関する技術の利用方法を見つめ直すきっかけとなることを期待する。
size:アクセサリー部H105×W180×D35,本体H60×W80×D26 mm
material:アクリル,PET,PLA
award:2019年度卒業研究/学内優秀賞