回転しながら描く描画装置
デジタル制御でアナログ風味な画像描写
今日では、デジタル画像をインクジェットやディスプレイなどでビットマップとして表現をするため、解像精度を高めることが画像表現で優先されてきた。そうした中、パターン点滅するLEDを振ることで生まれた残像で画像表示をする「バーサライタ」や機械的にペンを動かして画像描写する「ペンプロッタ」は、デジタル制御の描写システムでありながらアナログ的な風合いをもつ。本制作では、「バーサライタ」と「ペンプロッタ」を組み合わせた描画装置を提案する。
壁面への画像描写へとつながる可能性
Ripple1は12本のペンプロッタをモーターで回転させながら制御することで画像を描く。ソレノイドとリンク機構を用い、カタカタと音の出る機械的なペンの動きでありながら、筆ペンを用いることで筆圧の細かな変化も捉えたアナログ的なイメージを写し出す。また、この装置は紙面だけでなく壁面への描画へと発展し得ることが考えられ、それはステンシルスプレー以来確立されることのなかった「壁面への再現性のある画像描写技術」となる。