WeAMar 林悦子

導電糸アンテナによるゲルマニウムラジオの制作


必要なものを必要な分だけ
近年ウェアラブルデバイスやE-textileの開発において導電性素材が注目を集めている。しかし現状それらを使用した製品はほとんどが実験的な試みに留まっており、導電性素材を用いた新たな製品開発の可能性を模索することは重要な価値をもつ。本研究では導電糸を活用し、現代的でより人間生活に溶け込んだラジオ受信機の開発に取り組んだ。また、災害時におけるラジオの有用性は高く評価されている一方、その威力は手の届きやすい場所にあってこそ発揮されると考える。そのため日常と災害時のどちらでも使用可能なラジオの制作を目指した。


ラジオを受信する衣服
導電糸を用いた衣服と一体となったラジオを開発した。電源を必要としないゲルマニウムラジオを基本に制作を進め、非常時でも容易に使用可能なものを目指した。非常時の利便性だけでなく、日常着としての使用も考慮したデザインとなっている。背面に縫い付けた導電糸がアンテナコイルの役割を果たすことでラジオ電波を受信し、イヤホンからその音声を聞くことができる。選局は左腕のダイヤルにて行い、衣服の向きを変えることで受信感度を調節する。電子部品を収納した専用ポケットを取り外すことで洗濯も可能である


Material:
導電系, ナイロン生地 

Dimensions:
H680×W600 [mm]