d-chromatic 齋藤碧

クロマトグラフィーを応用した新しい色彩表現


新しいつくりかた
近年、工業製品のデザインでは「色・素材・表面処理」(CMF)の重要度が増している。また、デザイナーによる実験的な作品がプロダクトデザインと工芸の中間的な存在として認知され市場が広がりつつある。これらの背景をふまえ本研究では新しいCMFの手法としてクロマトグラフィーによる着色技法の研究を行い、プロダクトデザインと工芸の中間的な魅力を持つ生活機器を提案する。


色彩と造形
クロマトグラフィーとは分析化学に用いられる混合物質を分離する実験技法のことである。ろ紙にインクを垂らし下端かtら水を吸収させると、水の移動に伴い色素が分離される。この現象を活かし、通常、二次元下で行われる色素分離を三次元下で行うことで、色彩と造形が組み合わさった表現が可能となる。この技法を用い、グラフィックが機能的重要性を持つ壁掛け時計の制作を行なった。均質さを求めて発展してきた工業製品において、この実験的な技法の研究・制作が、人々の生活を豊かにする工業製品の在り方について考える一助となれば幸いである。


Material:
石膏, インク, ムーブメント

Dimensions:
H140×W140×D35 [mm]