CHYELA 三谷悠人

青焼き写真用カメラ


単一手法への収束
現代では、スマートフォン内蔵カメラの高性能化が進み、誰もが手元のデバイスで手軽に高画質な写真の撮影が可能となった。SNSの普及などにより、写真は液晶画面を介しての共有や鑑賞することが一般的になりつつある。同時に、純粋な映像撮影に特化したカメラは業界全体で衰退傾向にある。カメラは今後スマートフォンに収束していくと予測されるが、利便性に偏った進歩は必ずしも、写真にとって有益とは言えない。カメラは写真を撮影するための手段であり、道具や技術が衰退していくことは写真表現の可能性を狭めることに繋がりかねない。


デジタル技術を応用した青焼き写真用カメラ
LCDをネガとして用いることで、青写真を撮影するカメラを制作した。自作した感光液を紙や布、ガラスなどの多様な素材に塗布し乾燥させ、カメラに装填する。シャッターロックを解除してシャッターボタンを押すと撮影を行い、撮影された写真はプログラムでネガに反転してLCDに表示させる。LCD背面から紫外線LEDを照射することで、青写真の焼き付けを行う。写真の表現的な価値やカメラの体験的な側面において、物質的な写真表現に対する価値の再確認及び新たな価値を創出する手法として確立することを目的とする。


Material:
PLA, 真鍮, Raspberry pi zero, カメラモジュール, UV-LED, LCD 他  

Dimensions:
H103×W164×D40 [mm]