木珠-こだま- 鈴木舞
”未来の古さ”をつくる
古さには、ある種の新しさを感じる。古から続くものには人の知恵や工夫、膨大な時の積み重ねが生み出す、計り知れない深みがある。それらは新たな世界観と美しい存在感を宿らせる。そこで鎌倉時代から続く伝統木工技術の「組子」に着目し、魅力と本質を探る。「組子」とは釘を使わずに木と木を組み合わせて様々な幾何学文様を表現する技術のことである。それらは平面的な建具として活用され、室内利用するのが一般的であった。そこで組子の新たな魅力を探るために三次元状に拡がる立体組子に着目し、球体組子のプロダクトシリーズを開発する。
こころを灯す”記憶”をつくる
球体・半球体組子の灯りシリーズとして展開する。今まで未完成品として扱われてきた半球体も製品化することで「置き」「吊し」「壁掛け」など様々な場面に合わせた提案が可能となった。また、室内利用だけでなく店頭や軒先など、屋外利用も可能である。繊細で奥深い技術が生み出す組子細工の「木珠-こだま-」は、空間全体をやさしく味わい深い光で木霊させる。約400年続く伝統技術の組子細工の古くて深い佇まいが、こころを灯す”記憶”をつくる。何世代にも渡る職人たちの底知れない知恵と工夫の結晶を、全身で味うことのできるプロダクトである。
Material:
檜, ABS, LED電球 他
Dimensions:
H220×W220×D220 / H240×W240×D120 [mm]