Camgraph 桑嶋玄樹

アナログ式音源メディアを用いた自動演奏楽器の制作


情報技術の発展によるデータの無形化
今日の情報技術の発展により日常の様々なデータは無形化し、膨大な情報量の記録と小型化が可能となった。音楽を聴く手段としてもダウンロードやストリーミング再生が一般化している。親指一つで簡単に曲を再生できることは手軽で便利だが、身体的な音楽体験は均質化し、多様性を失う傾向にある。このプロジェクトでは曲のメロディに実体を与え可視化した「記録メディア」と、特殊な技術がなくても演奏への関与の可能な「自動演奏楽器」の制作を行う。


カムを用いたスライドホイッスルの制御
楽器部には、物理的な距離によって音階を制御し、メカニカルな要素との相性が良い「スライドホイッスル」を使用する。また、スライド部の複雑な前後運動を滑らかに制御する方法として、連続的な形状を持つ平面カム機構を使用する。カムを用いることで視覚、触覚を通した記録・再生を行い、途切れのない音階変化を特徴とした演奏を可能にしている。既存の音楽再生メディアでは表現できない新たな音楽表現を提案する。


Material:
アクリル,木材,PLA,ステンレス鋼   他

Dimensions:
H150× W450 × D850 [mm]