link 大越兼灯
デジタルによって描かれる絵の現状
今日ではコンピュータやAIを用い、絵を自動で描出するツールが多く見られる。これらの登場により精度の高い絵を描くことはより簡単なものとなった。しかし、そこから描かれた絵はすぐに消費される。要因として描画過程がブラックボックスとなっている点が挙げられる。使用者は描画過程への参加意識を感じることができず、絵に対しても距離感を感じてしまう。この様な現状から描画過程に着目することで、絵と使用者の関係を見直す必要があると考える。
新たな描画体験
本作品は三つの振り子を用いて使用者の生年月日を象徴する図像を描く装置である。それぞれの振り子に対して運動開始点を定め、運動開始のタイミングを合わせることで描出される図像の再現性を高める。また振り子の周期・位相を変化させることにより図像の形状を制御する。三つの振り子は別々に揺れ動きながら、紙の上にゆっくりと一つの図像を描く。特徴的な描出メカニズムを持つこの装置によって、描き始めから終わりまでを一つの描画体験として提供する。
Material:
PLA 、アルミ、ネジ、バネ 他
Dimensions:
W1430 × D1035 × H1200 (mm)