kurun 佐藤多実花

曲げ木と染色を同時に行う加工方法の研究


新たな木工表現の模索
木材の着色は刷毛やスプレーによる塗装が一般的であるが、何度も研磨が必要とされるなど工程数の多さが難点である。一方、布や糸の着色に用いられる「染色」は工程数が少なく単純な方法であるが、水や摩擦に弱く、均一な色彩表現が難しいため木工製品では広く使用される技法となっていない。この制作では木材の可塑性を活かした加工技術である「曲木成型」と「染色」を同時に行う加工方法を開発し、木材加工の効率化を図り、新たな木工表現を生み出す事を目指す。


フルーツバスケットの制作
染料の入った鍋で木材を煮て、染色をしながら曲げ木加工を行うことで染色と成型の流れを一体化し、木工加工の効率化を図る。また、本研究では上記の「曲げ木と染色を同時に行う加工方法」を活用したフルーツバスケットの制作を行う。バスケットに使用する曲げ木部品を1本ずつ染色時間を変えて部品ごとに濃淡をつけることで、染色の加工工程で生まれる色ムラを表現技法として活用する。


Material:
ヒノキ板材、シナベニヤ合板、みやこ染め  他

Dimensions:
W310 × D310 × H155  (mm)