樹気 杉森丞/p>

線香産業を活性化するための製品開発
-無煙香と加熱装置の研究-


火を使わない加熱式のお香
お香は火を焚いて使用するものが一般的である。しかし、火が原因で線香産業の扱う製品のイメージが下がり、お香を作る線香産業の存続に影響を与えている。そこで、線香産業の従来の製造工程や、使用している材料を活かしつつ、火を使わず「加熱により芳香を発散させる」お香と、その加熱装置の開発を行った。これにより,火を使わずに安全に楽しむことができる新しい香のあり方を提案し、新たな市場の開拓と、新たな価値の創出を行っている。


流木から始まる日本の香文化
『日本書紀』には「595年に淡路島に漂着した香木を島人が燃やし、その珍しい薫りからこの木を朝廷に献上した」と、日本での香りの最古の記述がある。当時海を超え辿り着いた香木と同じ環境にある流木は、逞しくも優美な自然の力を感じさせるものである。加熱装置には、香木が流れ着いた地(淡路市)で採取した流木を3Dスキャンし再構成した形状を用いている。浜に打ち上げられ流木を拾い焚いた人が、初めてその薫りに触れた瞬間の情景に思いを馳せてほしい。


Material:
セラミック  他  

Dimensions:
W200×D130×H60  (mm)