KASI 石井 一帆
柿渋文化の現状
柿渋は、茶褐色から赤褐色の色を持ち、平安時代より防水・防腐・防虫・防菌の特性を持つ天然塗料として用いられてきた。しかし、近代以降の工業化や化学塗料の普及、刺激臭の問題により、その利用は減少している。近年、無臭柿渋液の開発によって臭気の課題は改善されつつあるが、現代の製品設計において十分に活用されているとは言い難い。本研究では、柿渋を紙素材に塗布する実験を通じて、その機能および加工特性を明らかにし、現代的な器物への応用可能性を探る。
柿渋と紙を用いたスピーカーの開発
スピーカーは、振動板やダンパ、磁気回路、筐体などから構成される音響器物であるが、振動板には軽量化と加工性の観点から紙素材が用いられてきた。一方で、紙素材は劣化や湿度変化によるカビの発生といった課題を有している。本研究では、紙に柿渋液を塗布することで物性を制御し、スピーカー構成部品やエンクロージャの一体化した構造の作成を目指す。柿渋で硬化させた紙を構造材として用いた、音響機器の成立可能性を検証する。
Material:
無臭柿渋液、トイレットペーパー、エナメル銅線、磁石 他
Dimensions:
W110×D90×H125 (mm)